葉蘭と笹

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      葉蘭(ハラン)                         熊笹              

 葉蘭はユリ科ハラン属の常緑多年草。中国大陸から渡ってきたとされ、庭園に植栽または生花や料理の装飾用、その根茎を利尿、強心強壮薬として利用します。葉の広狭や質の厚薄と色や淡黄色の斑点模様の出方で「アケボノ」「星雲」などの園芸品種に分かれます。
 笹はイネ科でタケ類の仲間ですが形の小さいものが笹と呼ばれます。種類は葉蘭より多く、熊笹、モウソウチク、マダケ、メダケ、ズズタケ、ミヤコザサ、オカメザサ、アズマネザサなどがその種類としてあげられます。基本的に竹や笹は冬場でも葉が枯れて落葉してしまうことはありませんが、熊笹とミヤコザサは冬が近づくと葉の周囲が白く枯れ、また変わった風情をかもし出す為、観賞用や料理の装飾用に使用されます。     

鮨文化における笹と葉蘭の役割

 鮨と笹及び葉蘭の結びつきは古く、笹は身近な植物として大昔から食物を包むものとして使用され、さらに殺菌効果があるために、なれずし等で使用されるようになりました。そして箱ずしができるようになると鮨飯や材料が付着しにくいように葉蘭が使われるようになったのです。

江戸前ずしの発生により、それまでの日を置くなれずしに対して鮮度を命とする為、笹や葉蘭はそのみずみずしい緑で、すしの鮮度を強調する役目をするようになったのです。特にすぐ乾いて枯れたようになる笹は、鮮度の目安として絶好の素材でした。こうして、笹をすしに添えることによりさらに手が加えられ笹切りが生まれたものと思われます。そして、江戸を中心に笹を主にしていたものが、より大きなものをと葉蘭を用いるようになり、笹が少なく葉蘭が多い関西では葉蘭切りが主となっていったのです。
このように鮨と切っても切り離せない笹と葉蘭は”彩りもの”としての役割も担うことになり、”笹切り””葉蘭切り”と呼ばれる工夫や趣向が発展していきました。

          参考文献:日本植物図鑑、日本料理四季盛り付け、笹切り葉蘭切り教本、他

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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